2015年2月9日月曜日

わたる&おーみんのだらだら呑んで食べるだけ雑記#3


何かと慌ただしい年の瀬は人と顔を合わせる機会も多くなる。
高田馬場駅前でばったり顔を合わせて、いつもどおりの会話を交わして、なぜか珍しく自分の方から「近い内に食べ歩きに行こうか?」と提案してみた。昔と違って、こうして顔を合わせた時しか機会は無い。

その形式や存在意義が変わっても、やってることは昔と何一つ変わらない。
旨いものとの出会いを求めてただひたすら歩くのだ。



いろいろあって茅場町駅で降りたが気付いたときには上野にいた。別段驚くことは何もない、いつもどおりのスタートだ。山手線4駅分のウォーキングなど腹ごなしにもならない。もはや足が全く疲れることもないのが嬉しい半面、毎度の計画性の無さと学習性の無さを痛感させられる。

とは言え、このまま無闇に歩くのが自殺行為だという程度には学習していた私たちは進路を東にとった。目的地は今やスカイツリーのお膝元、浅草だ。

食べ歩きとしては初めてだが、浅草はもはや馴染みの場所だ。
それほど早慶レガッタは胸に深く刻まれている。

2年前を思い返しながら歩いていると、高橋の嗅覚に反応があった。
浅草にしては少しめずらしい洒落たスタイルの店で、直感的に「間違いない」と思った。

が、しかし私たちはこれをスルー。考えていることはふたりとも同じだった。
かれこれ1時間以上歩き続けて時刻も20時を回り、空腹も限界に近づいている。
そんなところでこの小洒落た店に入ろうものなら、二人で合わせて幾らの料理を注文することになろうか。。。

幸い、ここは浅草。多くの店が通りに並んでいる。
そして案の定、私たちはこの状況にぴったりの店をすぐに見つける事ができた。



酒の後に異常に食べたくなるものといえばラーメンがまず挙がるが、私のなかでこれと同率なのがトルコ料理の代表各、「ケバブ(トルコ語:Kebap)」である。
日本でケバブというと、パンの中にキャベツと肉が挟んであるあれを思い浮かべる人が多いと聞くが、元々の中東圏では肉料理の総称を意味する。
その中でも、肉を層状に積み重ねて回転させて焼いたあれを「ドネルケバブ(döner kebap)」といい、本場や欧州では主に羊肉が使用されているが、日本では牛か鶏がその代替で使われている。(たとえ日本でも豚は決して使われない)
肉と一緒にピタの中に詰める野菜も日本ではキャベツオンリーが多いが、実際はいろんな野菜や香草が入っていて香りが非常に強い。
ケバブも、日本向けにかなりアレンジされているのだ。

前置きが長くなったが、私達が見つけたのはトルコ料理店「サライ 浅草店」だ。これぞトルコ料理店といった異国情緒漂う風格の店に、ケバブ屋台が併設されている。
肉を牛と鶏から、ソースを約10種類の中から選んで注文する。
ミディアムサイズで¥500-とそれなりの値段だが、食べればその値段に納得する。
見た目以上にボリューミーで口いっぱいに肉の味が広がる。それと同量のキャベツによって味がしつこいということもない。ピタも絶妙な厚さと食感で主役の肉を引き立てる。

エスニックな香りと味は更に食欲を刺激するが、食べることに目がない男二人も納得の量だ。欲張ってラージサイズを頼まなくて良かったと心底思った。

私たちはケバブを頬張りながら来た道を引き返し、あの小洒落た店の前に来た。



私たちが目をつけたのは、「ヴィンゴ 浅草店」。その店名の看板にはでかでかと「こだわりワイン酒場」と書かれている。
期待に胸をふくらませつつ店に入ると、奥の二人掛けのテーブルに案内された。
店内はカウンターと二人、四人掛けテーブルが数個ずつの小じんまりした大人の空間だ。

この日は火曜日。毎週火曜は「ヴィンゴの日」ということでグラスワインが全て500円という大変お買い得な日に入ることができた。
ワインを謳うだけあって赤白どちらも豊富に揃えてあり、初めての注文ではどれを頼むかすぐに決めるのは難しいだろう。

ワインを注文してしばらくするとお通しの五種の前菜盛り合わせが出てくる。
お通しらしからぬボリュームと旨さは、ワインがメインならばこれだけでも十分満足できるほど。
つまみやメインもワインを意識したジビエ料理やチーズを使った料理が多く、ついつい次のグラスを頼んでしまう。
こだわりワイン酒場の看板に偽りなしだ。

ゆったりくつろげる空間で過ごすうち、気づけばワインと料理が次々に空いていく。
酔いが回って会話が弾むうちに、終電の時間がくるまでそう長い時間は掛からなかった。



星が煌めく冬の夜空。浅草の夜はどうしても2年前を思い起こさずにはいられない。
とにかくレガッタと部のことを考え続けたあの頃、今となってはもっとこうしたほうが良かったと思う
点は多いが、それでも今では輝かしい記憶となっている。
当時は辛いことのほうが多かったなと思うと、時の流れを残酷に思う。



今回のお店はこちら。
『サライ 浅草店』
http://www.saray.jp/

『ヴィンゴ 浅草店』
(ぐるなび) http://r.gnavi.co.jp/gd3z500/


#2 / 次 まだ